部屋の床にくったりと寝転ぶ。本当はベッドの上に寝たいのだが、そうするとwi-fiが弱く、ついにはつながらず、仕方なく部屋の隅にある机にもたれたり、寝転がったりしながらこれを打っている。深夜2時前。本当は違うことを書いていたのだが、書ききれなくなりそうだったのでまた別の日に。
私が日記を書きたいと思ったのは、昨日の日記に書いたような理由もあるが、辻仁成さんの日記を読んで、密かにそれに憧れていたのだ。パリで暮らす彼と息子の毎日は、まるで小説を読んでいるかのような(小説家が書いているのだからそれはそうか)美しい、日々の記録。
私のは、とるに足らない日々だけれども、バンクーバーに来たたった2ヶ月前のことなんてとうに忘れてしまっている。以前、ボストンに短期留学した時になんであの時日記をつけなかったんだろうと後悔したことを思い出した。
今日はダウンタウンに出来た新しいコーヒーショップに行って、お気に入りの中央図書館で過ごした。実は、バリスタの仕事は店が変わり、2つ目のコーヒーショップで働いているのだが、今そこも雲行きが怪しく(トレーニング中なのだが、なかなかシフトを決めてもらえない)もしかしたらまた次を探さなくてはいけないかもしれない。こちらに来てから、明日ちゃんと食えるかどうか、ちゃんと寝る場所があるかどうかという心配を何度もしていて、限界が近いのが正直なところだ。
美しく、小説のようなことは少しも書けないが、私はわたしなりの物語をきちんと残しておこうと思う。
今の気持ちを正直に言うと、音楽がしたい。音楽の仕事がしたい。不器用ながらも大切にしてきた、私のクラリネットでつくる音楽。いただいたオファーをお断りする度に悲しくなっている。
朝の光が眩しい、まだ生きてる、生きてるなぁ、今日も、と誰かに感謝する。くよくよしてもしょうがないから、ゆっくり起き上がり、よし、今日を精一杯生きたろう、と自分に言い聞かせる。ありがとう、と思う、何かに感謝している。この何気ない一日を素晴らしい日にできるかもしれない幸せに感謝する。
(辻仁成さんのツイートより)
(日記もぜひ、読んでみて下さい。渡仏日記)