日本ではようやく春の香りが感じられた3月の終わり。熱気あるマレーシアに降り立った途端、ラマダンの渦に吸い込まれることとなりました。どのショッピングモールもきらびやかに飾り付けられ、出店が夜の街を明るく照らしていました。
ラマダンとは、イスラム教徒が1年に1度、断食をする月を指します。2023年は3月22日から4月21日の期間でした。断食だけではなく負の感情を抱いたり、喫煙、性行為も禁じられています。
1ヶ月一切何も食べないわけではなく、日の出から日没時までの間、断食をします。空腹に耐えることで、貧しい人の気持ちに共感したり、日々の恵みに感謝する。より一層神様に向き合い、信仰心を深めるとされています。
夕暮れの頃、アザーンと呼ばれる礼拝の呼びかけがスピーカーで街中に知らされ、合同礼拝もあるため、モスクに人々が集まります。また、街中の至るところで催されているラマダンバザールにも人々が集まり、夜通し賑わいを見せます。(家の近くでは毎日のように爆竹、花火の音が夜中も鳴り止まず、その音に起こされる一ヶ月でした…)
一ヶ月に及ぶ断食が終わると、お祝いの日「ハリラヤ・プアサ」がやってきます。今年は週末にかぶっていたので、3日間ハリラヤの祝日となりました。
集会が禁止されたりモスクが閉鎖されたりと、2020年はコロナの影響がありかなり縮小されていた時期がありました。去年はバザールが復活したものの、今年は完全復活ということで余計に盛り上がっていたみたいです。
新調した正装を着て、家具や調度品を揃えて、オープンハウスと呼ばれるホームパーティを開いてお祝いします。家族や親戚と集まるため、帰省ラッシュがあったりとまるで日本のお正月のようです。
日本にいた頃はイスラム教の方が周りにいなかったですし、カナダではクリスチャンが多かったので、私にとって初めて触れる宗教文化でした。